韓国昔話 (妖術の石臼)

妖術の石臼

昔、ある村に、貧しいが心優しい農夫と欲張りな金持ちのおじさんが暮らしていました。ある日、ひとりのおじいさんが金持ちのおじさんの家に、ご飯をもらって食べるために来ました。「フン!おじいさんにあげるご飯がどこにあります!」「他の所に行って探してみてください!」追い出されたおじいさんは優しい農夫の家の近所で、うっかり倒れてしまったって。「おじいさん、おじいさん。」「しっかりしてください!」優しい農夫は、おじいさんを担いでおんぶし、家に走って来ました。ない穀物を全てはたいて、お粥を作って食べさせては、一晩中、寝ることもしないで、誠意を尽くして世話をしてあげたんだね。「本当にありがとう。」「持ってきた物というのは、この石臼しかないので、これでももらってください。」おじいさんは石臼をあげると、風のように行ってしまいました。優しい農夫は空の石臼をそろそろ回しながら独り言を言ったんだ。「石臼から米でも、どんどん出て来ると、どれだけいいか?」すると、石臼から本当に米があふれ出て来るではありませんか?「おや、これはどうしたことか!」優しい農夫が「服 出て来い!」と言えば、服が出て来て、「銭 出て来い!」と言えば、銭が出て来るのだ。「これは妖術の石臼だな!」「おめでたいことが起こったね!おめでたいことが起こりました!」妖術の石臼のおかげで金持ちになった優しい農夫は、大きな宴を張りました。その噂を聞いて、欲張りな金持ちのおじさんが優しい農夫を家に訪ねて行きました。「ああ!」「これがまさしく妖術の石臼だな!」「誰もいない所に行って、私ひとりだけで使わなくちゃ!」金持ちのおじさんは石臼を抱きかかえて、遠くへ遠くへと逃げて行きました。誰も探せない遠い所へ逃げようと船に乗り、海に出て行ったんだ。「さあ、どれ一度回してみるか?」「そうだ、塩がいいだろう!」「ちちんぷいぷい 塩 出て来い!」すると銭より尊く、米より値が高い塩がざあざあ流れ出て来ました。小さな船に塩が次第に山盛りのように積もり始めたんだね。「もう私は大金持ちだ。」金持ちのおじさんは、どんどん石臼を回しました。そうして船が重くなり、そのまま海の下に沈んでしまったんだ。今も、海の中では石臼がくるくる回りながら塩がずっと出て来ているんだって。だから、海の水はしょっぱいんだよ。

요술 妖術、手品
맷돌 石臼
얻어먹다 もらって食べる
딴데 他の所
쫓겨나다 追い出される
그만 つい、うっかり
쓰러지다 倒れる、転ぶ
정신 차리다 しっかりする、正気を取り戻す
들쳐 持ち上げて
업다 おんぶする
곡식 穀物
털다 はたく
정성껏 真心込めて、誠意を尽くして
돌보다 世話をする
슬슬 そろそろと
돌리다 回す
혼잣말 独り言
술술 どんどん
쏟아지다 こぼれる、あふれる
경사 나다 めでたいことが起こる
진치를 벌이다 宴を張る
소문 噂
안다 抱きかかえる
그러자 すると
줄줄 ざあざあ、ぞろぞろ
흐르다 流れる
조그만 小さな
점점 だんだん、ますます、次第に
산더미 山積み、山盛り
쌓이다 積もる、溜まる、つのる
자꾸자꾸 どんどん、しきりに
그러다 そうして
가라앉다 沈む、落ち込む
뱅글뱅글 くるくる
돌다 回る
있대 だって、だってさ
거란다 だよ