韓国昔話(赤い扇子と青い扇子)



赤い扇子と青い扇子

ひどく暑い夏の日、薪を取りに行ったおじいさんが、しばらく休んでいました。ところが、頭の上の木の枝に、扇子が2個ぶら下がっているのです。「うん、どうして扇子が?あいにく暑いから、よかったな。」おじいさんが、赤い扇子を広げ、ぱたぱた扇ぐと、突然、鼻がすくすく長くなりました。びっくり、驚いたおじいさんが、青い扇子を扇ぐと、不思議に鼻がまた短くなりました。「ハハー!これ妖術の扇子としてだなあ。」「この不思議な扇子で大金持ちになれないだろうか?」そんなある日、おじいさんは、金持ちの旦那さんに、こっそり近づき、赤い扇子を扇いで言いました。「旦那様、天気が本当に暑いですよね?」すると、金持ちの旦那さんの鼻は、だんだん長くなりました。びっくり、驚いた旦那さんは医者を呼んだが、長くなった鼻を治せる医者はいませんでした。「私の鼻を治せる人に大金をあげると知らせなさい!」「旦那様、私が旦那様の鼻を治してさしあげます。」「おじいさんが青い扇子を取り出し、そろりそろり扇ぐと、鼻が元に戻りました。大金をもらったおじいさんは、金持ちになり、仕事もしないでゴロゴロしました。ある日、退屈したおじいさんが、と
んでもない考えをしました。「赤い扇子を何度も扇ぐと、鼻がどれくらい長くなるだ
ろうか?」おじいさんが、ずっと扇子で扇ぐことをすると、鼻はしきりに長くなり、空を突き抜けて上がって行きました。天国の王様がその鼻を見て、腹が立ち、天女たちに言いました。「恐れ多くも、空を突き抜けて、入って来るなんて!」「あの無礼な鼻を柱に縛りなさい!」天女たちが柱に鼻を縛り付けると、床に横になっていたおじいさんの鼻が痛くなってきたんだね。驚いたおじいさんが、すぐに青い扇子を扇ぐと、体が宙にふわふわ浮かび上がりました。おじいさんが、じたばたすると、柱に縛られていた鼻がすっと抜けて、おじいさんは、そのまま地面に落ちてしまったそうです。「ありゃ、助けて!」

부채 扇子、団扇
몹시 すごく、ひどく
나뭇가지 木の枝
매달리다 ぶら下がる
펼치다 広げる
훨훨 ぱたぱた
부치다 扇ぐ
쑥쑥 すくすく
늘어나다 長くなる
깜짝 びっくり、ぎょっと、はっと
신기하다 不思議だ、珍しい
줄어들다 縮む
요술 妖術、手品
그러던 そうした、そうしていたところ、そんな
영감 家柄のいい人やお年寄りを敬って言う語、年老いた男性の尊敬語
슬쩍 こっそり、そろりと、すっと
다가가다 近寄る、近づく
점점 段々、次第に
원랴대로 もとに
돌아가다 戻る
빈둥거리다 ゴロゴロする、ぶらぶらする、怠ける
심심하다 退屈だ
엉뚱하다 とんでもない、突拍子もない、場違いだ
자꾸만 しきりに、何度も
부채질 団扇で扇ぐこと
뚫다 突き抜ける
임금님 王様
감히 敢えて、大胆に、恐れ多くも
버릇없다 無作法だ、礼儀がない、無礼な
기둥 柱
묶다 縛る、くくる、束ねる
동여매다 縛り付ける、括り付ける、結い付ける
마루 床
얼른 すぐに、素早く
허공 虚空、宙
둥실둥실 ふわふわ
떠오르다 浮かび上がる
발버둥(을) 치다 じたばたする
쑥 ぽこんと、ぐいっと、すっと
아이쿠 ありゃ
사람살려 助けて