韓国昔話(匂いを嗅ぐ値段)


匂いを嗅ぐ値段

ある村に、とてもひどいケチなお爺さんが暮らしていました。ある日、隣の家の農夫がケチなお爺さんの家の前を通りすぎるのだけど、魚を焼く匂いがそよそよ漂っているんだよ。「あ、美味しい匂い。」「おまえ、ここで何しているのか?」「あ、お爺さん。ごきげんいかがですか?魚を焼く匂いがあまりにいいので、足取りが止まりましたね。」「魚を焼く匂いを嗅ぐから立っていたと?それなら、その値段を払いなさい。世の中にタダはないものなので。」「はい?魚の匂いの値段ですか?」「どれ、見よう。魚は十両で買ったので、その半分をもらえばいいだろうな。五両だけ出しなさい。私が多めに見てあげたんだ。」「あれ、五両だなんて?今、私にそんな金はございません。」「では、時間をあげるから、家に行って持って来なよ!」家に帰って来た農夫が地面にへこむほど大きくため息をついて心配をすると、農夫の息子が、さあ、いい手段があるんだよ。農夫には頭が切れると噂が立つ息子がいたんだよ。「父さん!私に方法があります。お友達の方に五両だけ借りて来てください。」「五両だけを?はい、わかった」農夫は五両だけを借りて息子と一緒にケチなお爺さんの家に行った。「お爺さんはいらっしゃいますか?匂いを嗅ぐ値段を持って来ました。この金袋の中に匂いを嗅ぐ値段の五両がございます。」「そう、こちらへ出しなさい。」「音が聞こえるでしょう?ここに五両がございます。」「うん、じゃらじゃらと、よく聞こえるな。」「はい、では、私たちは、これきり、帰ってみましょう。」「こいつ!大人をからかうのか?金を払って行かなくてはならない。」「今、差し上げたじゃありませんか、お爺さん。」「いつ?私はじゃらじゃらと金の音しか聞こえなかった。」「匂いの値段があるなら、音の値段もありますよね。」ぴったり五両分の音でしたが、もう一度、聞いて五両をお出しになりますか?」ケチなお爺さんは顔が赤くなった。見物に来た人々は、正しいなと言って感心したんだよね。「正しい、正しい!」「あの家の息子は本当に頭が切れるんだね。」その後から、ケチなお爺さんは、それ以上、お話にもならない無理難題を使えなかったそうだ。農夫は賢い息子と幸せに、よく暮らしたんだとさ。

맡다 嗅ぐ
값 値段、価格
지독하다 とてもひどい、ものすごい
영감 年老いた男性、お爺さん
생선 魚
솔솔 そよそよ、すうすう(静かに心地よく吹くさま)
풍기다 漂う
자네 おまえ
발길 足取り
멈추다 止まる
느라 ~ので、~せいで
終結語尾(古風な表現)~したまえ、~せよ、~しなさい
공짜 無料、タダ
법 法、ルール、もの
냥 両
걸세 ~であろう(行動の意思、予想を偉そうな口調で言う場合の語尾)
라니요 ~ですって、~するなんて、~だなんて
게나 ~しろよ、~しなよ
땅이 꺼지다 地面がへこむ
한숨을 쉬다 ため息をつく
글세 さあ、さて
수 方法、手段
는 거야 ~してるんだよ、~しているの
영특하다 (英特하다)英明だ、頭が切れる
소문나다 (所聞나다)噂が立つ
거 든 ~んだよ
빌리다 借りる
그래 そう、はい
주머니 袋、金袋
이리 ここへ、こちらへ
다오 くれ
짤랑짤랑 じゃらじゃら
저희 私たち、私ども
이놈 こいつ
어른 大人
놀리다 からかう、冷やかす
느냐? ~するのか?
딱 ぴったり
어치 分
얼굴이 벌개지다 顔が赤くなる
무릎을 치다 膝を打つ、感心する
참 誠に、本当に
구먼 ~んだね
생트집 無理難題、けち、難癖
부리다 働かせる、使う、振るう、弄する
영리하다 (怜悧하다)賢い 読み方영니하다、yŏng-ni-ha-da