韓国昔話(小豆粥お婆さんと虎)


小豆粥お婆さんと虎

昔、昔、小豆粥をとても美味しく上手に炊くお婆さんが小豆畑を草取りしていたのだが、さあ、虎が1匹、思いがけなく現れたんだね。「私は腹が減ってるので、婆さんを捕まえて食べなくちゃ。」お婆さんは怖くて体中ぶるぶる震えました。「虎よ。今年の冬に冬至の小豆粥を一度だけ炊いてもいいか?」すると、虎は小豆粥を食べたい考えで、惜しいように、ペロペロと舌なめずりをして、引き下がったんだ。いつのまにか冬至の前日、お婆さんが小豆粥をかき混ぜて、ため息をフーとつくのだが、スッポンが這って来て尋ねるんだね。「婆さん、どうしてそんなにため息をつくの?」「明日になると、私は虎の餌になるんだそうだ。」「どうすれば、いいの?」「婆さん、私に小豆粥1杯おくれ。」「私が虎を追い払ってあげる」スッポンに1杯あふれんばかりに与えては、ため息を再びつくのだけど、栗がころころと転がって来て尋ねました。「婆さん、どうしてそんなに、ため息なの?」「明日になれば、虎の餌になるから、そんなに悲しいため息をつくんだ。」「小豆粥1杯くれれば、私が虎を追い払ってあげる。」このように、牛の糞、石臼、背負子、むしろまで小豆粥をもらって食べては、スッポンは水がめの中へポチャン、栗は竈の中へ、牛の糞は台所の床に、石臼は勝手口の荷物置きの上に座りました。むしろは台所の前にペタッと伏せて、背負子は庭の隅っこに寄りかかって立っていましたよ。冬至の晩になるとすぐ虎がお婆さんの家の庭にブラブラ立ち入りました。「婆さん、私は来ました!約束は忘れてないかい?」「うん、台所の竈に冬至の小豆粥を置いたから、持って行って食べなさい。」虎が竈の中を覗き込むのだが、栗がポンと飛び出して来て、虎の目をぽかっと打ちました。虎は前が見えないで手探りする、水がめに手を入れるのだけど、スッポンが手をぎゅっと噛みつきました。ハッと驚いた虎が後ずさりする、うっかり牛の糞を踏み、滑ったんだよ。尻もちをついた虎が勝手口を出て行こうとするのだが、石臼が頭の上にドスンと落ちました。「わあ!ガオー!虎を助けて!」虎は気を失って、這って出て来る、むしろの上に倒れました。むしろが虎をしつこく丸めるやいなや、背負子がサッと担いでは、のしのしと歩いて行き、川の水に虎を放り投げたんだ。その後、お婆さんは、毎年、冬至の日には、小豆粥を炊いて、ありがたい友達と分けて食べたんだとさ。

팥죽 小豆粥
쑤다 炊く
팥밭 小豆畑
매다 草取りする、草むしりする
글쎄 さあ
떡 思いがけなく
벌벌 ぶるぶる
떨리다 震える
ㄴ 듯 ~ように
입맛을 다시다 舌なめずりをする
쩝쩝 (舌鼓を打つ音)
물러나다 退く、引き下がる
어느 덧 いつのまにか、いつしか
젓다 かき混ぜる
한숨을 쉬다 ため息をつく
푹 フー
기다 這う
그리 そんなに
ㄴ단다 (デンプン)だそうだ
어찌하다 いかにする、どうする
그룻 杯、皿
쫓다 追い払う
가득 いっぱいに
퍼주다 非常に多い量を与える
알밤 栗
또르르 ころころと
구르다 転がる
쐬똥 牛の糞
맷돌 石臼
지게 背負子
멍석 むしろ
물독 水瓶
퐁당 ぽちゃん
아궁이 かまど
바닥 床
부엌문 キッチンのドア、勝手口
선반 荷物置き
넙죽 ぺたっと
엎드리다 伏せる
마당 庭
한구석 片隅、隅っこ
기대다 寄りかかる
어슬렁어슬렁 うろうろ、ぶらぶら
들어서다 入る、立ち入る
오냐 うん
들여다보다 覗き見る、覗き込む
튀어나다 飛び出す
딱 かちん、こつん、ぽかっ
때리다 殴る、打つ、叩く
더듬거리다 手探りする
넣다 入れる
꽉 ぎゅっと
물다 噛みつく
깜짝 びっくり、ハッと
뒷걸음을 치다 後ずさりする
미끄러지다 滑る
엉덩방아를 찧다 尻餅をつく
쿵 ドン、どしん、どすん
넘어지다 つまずく、倒れる、転ぶ
들들 しつこく
말다 丸める
척 ぴたっと、さっと、ぱっと
짊어지다 背負う、担ぐ
성큼성큼 大股に、のしのし
집어던지다 放り投げる、放り出す、投げ飛ばす
해마다 毎年
나누다 分ける