韓国昔話(鬼の冠)

鬼の冠

昔、1人の木こりが山へ芝刈りに行きました。しばらく、芝刈りをしたのですが、パラパラと雨が降り注ぐんだね。「おやまあ、突然どうして雨なんか?」雨を避けて走った木こりは空き家を1つ発見したんだ。木こりは空き家に入って行き、雨がやむのを待っていました。そうして、ついうっかり、うとうとし始めたんだ。「あれ、これは何の音だろう?」木こりはドタバタと中二階へ隠れました。木こりは、こっそり戸の隙間から見ると、鬼たちが、どっと部屋の中に入って来てるんだよ。「よいやよいや、ちょいちょい、楽しく遊んでみよう。」鬼たちは一晩中、遊んで、夜明け頃ようやく消えたんだ。「ふう、もう、危なかった。」「あら?まだ、被るのにいい冠を置いて行ったね。」木こりは鬼の冠を被ってみました。そうすると、とても驚いて後ろへ倒れそうになったんだよ。「あれ、こんなのありえない!」「私の体は何処へ行ったの?」鬼の冠を被ると己の姿がなくなって、脱ぐと再び現れるんだよ。」「本当に!この冠さえあれば、どんなことでも、できそうだ。」木こりは町内で名が知れたお金持ちの家に行きました。居間もひょい、座敷もひょい、あちらで、ひょい、こちらで、ひょい。欲心が生じた木こりは金の包みを持って、逃げたんだよ。次の日、木こりは市場へ行きました。いろいろな餅をかすめて、しこしこした肉をくすねて、色とりどりな靴を盗んで、しなやかな絹を失敬しました。「おい!もう私たちは金持ちだ、金持ち!」そんなある日、木こりは今度は鍛冶屋をしきりに覗きました。「どれ、見よう!」「ここからは何を持っていく?」その時、ついうっかり、鬼の冠に火の粉が飛びました。「あっ、熱い!火だよ、火!」木こりは大騒ぎして、火を消しましたが、既に冠にはポオン!穴が出来たんだ。木こりは冠に出来た穴を赤い布切れで繕いました。次の日、赤い布切れが、この家、あの家と、ふわふわ漂いました。「あら?どうして布の切れ端が?」「怪しいんだけど?」村の人々が、どっと押し寄せて、赤い布切れを掴みました。「貴様がこの間、物を盗んだ泥棒だな!」「どこへ逃げて行こうとして、こやつ!」「この泥棒を捕まえなさい!」人々は木こりをたっぷり殴りつけましたよ。「わあ、ごめんなさい、ごめんなさい。」木こりは涙を流して後悔しましたとさ。

나무꾼 木こり
후드극후드득 パラパラ
람 (下称)不平を言う終結語尾
그치다 止む
그만 つい、うっかり
깜박깜박 うっかり
졸다 居眠りする、うとうとする
지? だろう?、かな?
허둥지둥 ドタバタ
다락 中二階
숨다 隠れる、潜む
몰래 こっそり
문틈 戸の隙間
우르르 どっと、わんさと、わっと
는 거야 ~してるんだよ、してんだよ、しているの
얼씨구 절씨구 よいやよいや ちょいちょい
신나다 楽しい
세 ある程度、年のいった大人たち同士や大人が年下の成人に対して何か一緒にしようという勧誘の語尾。昔の人たちによく使われた。
밤새도록 一晩中
동틀 夜明け
무렵 頃
에야 ようやく
쓰다 被る
감투 冠
넘어지다 倒れる
ㄹ 뻔하다 ~しそうになる
자가 自己、自家
벗다 脱ぐ、外す
오호라 本当に
동네 町内、町、街、隣近所
이름나다 有名になる、名が知れる
안방 居間
기웃 ひょい
사랑방 座敷
이리저리 あちらこちら
꾸러미 包み、束
달아나다 逃げる
훔치다 盗む、くすねる、かすめる、失敬する
쫄깃쫄깃 しこしこ
알록달록 色とりどりな
보들보들 しなやかな
비단 絹
대장간 鍛冶屋
기웃거리다 しきりに覗く
어디 どれ
불똥 火の粉
튀다 飛ぶ
호들갑을 떨다 軽はずみに振る舞う、大げさにする
끄다 消す
구멍 穴
헝겊 布切れ
깁다 繕う、つぎを当てる
둥둥 ふわふわ、ぷかぷか
떠다니다 漂う、浮かんで流れる、飛び回る
어? あら?
조각 かけら、切れ端
수상하다 怪しい、不審だ
몰려들다 押し寄せる、詰めかける、駆けつける
네 놈 貴様
도둑놈 泥棒
구나 だな
흠씬 たっぷり
두들기다 叩く、やたらに叩く、殴りつける
아이쿠 わぁ
후회하다 後悔する